はじめに
養成所に通っても専門学校に通っていても所属に残れなかった、上のクラスに上がれなかった、そしてこれから通うことを考えている人に伝えておきたいことがあります。
養成所や専門学校に通っただけでは魅力的な役をたくさん演じることができるようにはなれません。これは講師の方も口を揃えて言うことが多いですが本当の話です。
自分なりに考えて作り上げたのにそれっぽい声だと言われてしまう。自分なりの上官を表現したけれど全然責任感がないように届いてしまう。などということがあるのではないでしょうか。
その原因は自分なりに頑張ったというところにあります。きちんと自分で録音して聞いてみましたか?そして他の人にも聞いてもらいましたか?その声は本当にキャラクターや俳優、女優さんの姿や声に合っていますか?ここを繰り返すだけでも進歩していきます。
ここで絶対にうまくなりたいと思っている方に魅力的な役幅を増やす方法を教えます。魅力的な役とは音声を聞いて繰り返すだけではなく研究と訓練が必要なのです。
魅力的な役幅を増やす方法とは
まずゲーム、アニメ、洋画の吹き替えを見たときにキャラクターや女優、俳優の人の姿から合わない声が聞こえてきて違和感を感じたことはありませんか?
いろんな役を任せられると信頼のある人はどんな役をやってもその違和感を感じさせることなくしっくりくる声と芝居をしているのです。
新人前からこれができると新人時代では評判が広がれば一気にいろんなところから声がかかってお仕事がきます。
そのためにも声、芝居へのこだわりが必要になっていきます。なので、どうやってこだわっていけばいいのかをこれから書いていきます。
①立場、年齢、性格をとことん考える
まずは、考えることから始めます。何となくの感覚でできる人もいますがそういう人はきちんと理解し声や喋り方、芝居が一緒にできる人が多いです。しかしほとんどの人は最初からこれをできる人はいません。
なので、役を細かく考えていくところから始めます。この役はどういう人なのか分かるだけ挙げていきます。
・どういう組織に入っているのか
・どういう世界なのか
・どういう立場なのか
・年齢
・髪の色
・服装
・体格
・家族構成
・何か特殊な能力を使えるか
・出身
などなどあげると数十個は出てくると思います。これは役の声を知る上ですごく大事なことです。
例えば、おじいさん艦長が居たとします。おじいさん艦長は長く戦場に出ています。年齢は65歳ぐらい、白いお髭を蓄えている、部下達からも慕われている、艦長、体格はおじいさんだけれど軍人でまだまだがっちりしている、服装は軍服で乱れなし、人間などと考えていきます。
このことからいくつもの戦場を乗り越えて自分も命を落としそうになったことも、一緒に船に乗っている人たちを自分の判断で危険な目に合わせてしまったこともあるでしょう。なので自分の指示には責任感を持っています。戦績やいつも船に乗っている人たちの命も大事にしてくれていることを乗組員の人たちは感じ取っていて信頼が集まっています。軍服を正しく着ていることから軍の方針や決め事にはきちんと従う方でしょう。
ということから考えると、声は太くてどっしりとした男らしいおじいさん声でじゃべり方も指示をするときははっきりと圧のある声、自然のときは真面目な口調の中に優しさが混じった話し方をする人だと考えられます。
こういう風に考えていきます。
②実際の音声を聞いてみる
いろんなアニメ作品から考えた役と同じ役を探し聞いてみます。どのように表現しているのかどういう声で話しどういう喋り方をしているのかを複数聞いていきます。
一人の話し方だけだと資料が少なく引き出しも増やせないので必ず複数人聞いてその中から自分のイメージに合う喋り方を選んでいきましょう。
ここで子供の声はどういう風に出しているのか、年老いた人の声はどのような響きを持っているのかを注意して聞きましょう。実際にその年齢に近いからこそ出せる声の震わせ方とかが存在しているのです。
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③実際に台詞で声に出してみる
実際に声を聞いた後その声のイメージと同じように声を出してみましょう。最初は思い通りにいかないかもしれません。もしくは自分の声質に近いからすぐに出せるかもしれません。
それでも本当にその音質と同じ声を出せているのか自分の声をとって聞き、イメージのときに探した人の声と聴き比べてみましょう。
性格、立場、環境、年齢などなど表すことができていますか?
そう自問自答を繰り返して自分の声を修正していきましょう。自分で音声を聞かなくてもできるようになり、聞いてくれた人がそう聞こえればそれは自分の中で一つの役ができるようになった証拠です。
こういう工程を何度も繰り返していくことで役幅を増やすことができるのです。
まとめ
役の幅を増やすことは声の幅を増やすことにもつながります。最初のうちは声を聞いてそれっぽい声しか出ないかもしれません。
ですが、①で考えたことが自分の中できちんと落とし込まれていると声に反映されていきます。音質は絶対に出せないものがありますがそれに近づけることができます。そして芝居がシッカリしているとその役に聞いている人を引き込みその人だと感じてもらうことができるようになるのです。
ここでもシッカリと人を理解し芝居力をあげましょう!
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