はじめに
養成所に通っても専門学校に通っていても所属に残れなかった、上のクラスに上がれなかった、そしてこれから通うことを考えている人に伝えておきたいことがあります。
養成所や専門学校に通っただけでは台詞をリアルに自然に読むことができるようにはなれません。これは講師の方も口を揃えて言うことが多いですが本当の話です。
台詞を読むのは、舞台や俳優さんのしゃべりとは少し違うので、声優の自然に読むということに置き換える必要があります。
プロの人も最初は舞台から入った人は苦労していたという話はよく聞きます。今となっては毎日仕事でその話し方をしているので経験値や思考の差がすごくあります。さらに毎日成長も続けています。
ここで絶対にうまくなりたいと思っている方に台詞をリアルに読む方法を教えます。台本はひとつひとつ違うのでひとつできても油断できないところは気をつけてください。
台詞をリアルにする方法
①滑舌、イントネーションを完璧にする
まずは自然に読めるようになるために、邪魔になりそうなことをクリアしていきます。これはプロの声優の人でも毎回チェックを入れて気をつけています。そして言えない言葉は言えるようになるまで練習もします。
なので一番最初に言えない言葉をないようにしましょう。
自分が話した言葉にはすごく厳しくチェックを入れましょう。「、」や「。」の所の読み方が語尾の言葉で息が抜けていたり滑っていたりしないのか、日本語じゃない言葉で言いづらいところはないか、イントネーションは間違っていないかなどなど完璧になるまで繰り返し練習とチェックを入れましょう。
声を録音して確認するのが一番いいです。
ですが芝居になると声を出さなきゃいけない、滑舌を気をつけないといけない、マイクワークはどうしよう、当てるときのタイミングが不安。などなどの理由からまず芝居すらあやふやになってしまうことが多いです。これは自分でやったつもりになって本当はきちんと出来ていないからなのです。
なので最初に言ったように芝居の邪魔をしてしまうのを排除して、芝居に集中できるようにします。
よくここを飛ばして台本の台詞の言い方を考えたりどういう声で話したりしようかと考える人がいますが、それは形だけのそれっぽい言い方にしかならないことが多いのでまずは考え方を変えて段階を踏むようにしましょう。
焦りは禁物です。
どんなに感情が乗っかって芝居が良くても、言葉が伝わらなければ全てを台無しにしてしまうほど大事なことなのです。言葉が伝わらないことで共演の人にも、制作の方々にも、時間を取らせてしまい作業を増やしてしまうのできちんと責任を果たしましょう。
②台本を読み込む
①のことがクリアできましたら次は台本を読み込みます。チェックするところは、
・距離感はどれくらいなのか(近い、遠い)
・周りの環境はどうなのか(静か、賑やか)
・誰と話しているのか(友達、家族、恋人)
・その人のことをどう思っているのか(好き、嫌い、喧嘩中、悩み事)
・今の感情はどんな感じか(平常心、喜怒哀楽)
・この人はどういう人生を送っている人なのか
ということを細かくそして深く考え理解していきます。今ここにあげたものひとつひとつにもたくさんの意味がこもっていますので、それをきちんと解釈していきます。
人間は日常的にこれを無意識で判断しています。
しかし芝居になり頭の中で想像して映像をいくらチェックしても距離感が正しくなかったり周りが賑やかなのに静かに喋っていたりと矛盾したことが起こってしまうことが最初によくあります。
自分一人で解釈していると見落としてしまうことがたくさんあります。なので自分は本当にちゃんと解釈できているかな?と何度も振り返って解釈を自分の中に落とし込んでいきましょう。
緊張したら考えていたことが飛んでしまうことが良くあるので考えるのではなく自分がその話で解釈したのを自分の中に落とし込んで自然のことだと感じるようになるまで考え抜きましょう。
徹底的に考え抜いて、徹底的に滑舌をよくしたらこの後はそのことを一旦全てスッキリ忘れてください。これがリアルに喋るために大事なことになります。
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③心から出てくる言葉を意識する
①も②もちゃんと自分の中に落とし込んでおくと、全てを忘れて役として会話をするとするすると言葉が出てくるようになります。
稽古場や誰かと練習の時、仕事の時もそうですが誰かいる時はその時に感じたことを素直にそのまま言葉に影響させると言葉が生きてきます。
一人で練習する時も大事で映像から感じたこと、話していて自分の言葉に心が動いた時はその心に素直に従うようにしてください。それは芝居から逸脱していることはないと思うので心で何か感じたことを言葉に乗せる感覚に慣れてください。
心で感じで出てきた言葉は生きた人の言葉になり、あなたの芝居の個性も入って他の声優の人には出せない味にもなっていくので徹底的に練習するようにしてください。
まとめ
感情を伝える時にも話し方のことを書きましたがこれはまた別の訓練方法になります。感情を伝える話し方ができていることが前提でもありますので、もし感情を伝える話し方ができていない場合はそちらを先にマスターしてください。
自然に心から台本の言葉が出てくるようになる落とし込みが主な内容にもなりますが自分の中に役を落とし込む方法なども含めてまたの機会に書きますのでぜひ参考にしてみてください。
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